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20周年企画
開催のごあいさつ (サンシャインクリエイション2018 Autumn)

 サンシャインクリエイションは今秋20周年を迎えました。これまでに参加して頂いたすべてのみなさんに、改めて深く御礼を申し上げます。日々の営為である同人誌即売会にとって、周年など単なる区切りと言ってしまえばそれまでですが、そこに何らかの喜びや達成感を見出すのは、同人誌即売会というものにハレの日、表現の誕生を祝い合うお祭りという側面があるからなのかもしれません。同人誌即売会に「ハレ」という民俗学の言葉を当てはめたのは、12年前に亡くなったコミケットの米沢前代表だと思うのですが、この20年の間に同人誌即売会という存在の役割は、本当に大きく変わってきました。

 流通という観点では、日本でアマゾンがサービスを開始したのが2000年。それまでこんなに短期間に書店が衰退するとは誰も思っていませんでした。それ以降、同人書店のネット販売やダウンロード販売など、同人誌を購入するチャネルは、その利便性から多様化・拡大してきました。表現という観点では、ピクシブができたのは2007年です。最近で言えば「クッパ姫」のような、タイムリーな「盛り上がり」を捉えた表現は、即売会のコピー誌からインターネットへと場を移してきました。

 また、専門書店での同人誌の取り扱いが拡大して以降、同人誌即売会の特徴付けとして「リアルなコミュニケーションの場」という側面に光が当てられています。コミュニケーションとは言っても、自分の目の前でお金を対価として本が売れていくこと、作家さんに一言でも直接感想を伝えられること、イベントが終わった後に打ち上げをすること……いろいろなコミュニケーションがありますが、ネットでは代替できない大事な機能のひとつであることは、間違いないでしょう。

 現代の同人誌即売会、特にオールジャンルイベントは「流通する」「表現する」「交流する」……こうした機能に「ハレ」というスパイスを加えた「フェス」なのだと思います。たくさんの人が集まり、その日しか見られないアレンジやコラボレーションに感動し、そうして生み出された熱狂により「聖地」や「伝説」として人々の記憶に残り語り継がれる、誰かにとってそのような場であり続けること、それを愚直に続けてきた結果がこの20年という節目なのかもしれません。

 最近は表現規制の法令というよりは、表現に対する「不寛容」に基づく論争が、ネット上を賑わせています。見たくない」というゾーニングにニーズがあること自体は否定しないのですが、その主張が表現/表現者に対する敬意を欠いていたり、現状と乖離した稚拙なジェンダー・アイデンティティの議論を振りかざしてくる様子には、危機感を覚えています。時に故意に「見たくない」と「存在してほしくない」が、表現規制につながっていくこともあります。どんな表現も、それに対してプラスの感情を抱く人もいれば、マイナスの感情を抱く人もいます。同人の世界においては相手の趣味・嗜好を尊重することが暗黙のマナーになっていると思うのですが、こうした寛容さをどのように社会的な価値として敷衍していくのか、そのために同人誌即売会に何ができるのか、一つのテーマなのかもしれません。

 サンクリ20周年の次はクリエイション25周年、そしてサンクリ25周年とオリンピックのようなペースで続く「周年」のシーケンスが、いつまでも続くことを願って今回のあいさつの結びに代えさせて頂きます。

今回もよろしくお願いします!

クリエイション事務局一同

20周年企画について
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