開催のごあいさつ
(SC2021Spring)
昨年9月27日以来の、サンシャインクリエイションです、ご参加ありがとうございます! 2021年は4回開催する! と旗を上げたものの、1月7日に緊急事態宣言が再発出され、1月17日開催予定のサンクリ2021 Winterを中止せざるを得ませんでした。この文章を書いている時点で、この緊急事態宣言は東京都においてまだ継続中であり、感染者数はやや落ち着きを見せているものの、解除に至っていません。こうした状況下ではありますが、ウィズコロナ時代の同人誌即売会の指針となるガイドラインの整備が進んでいること、音楽イベント等の大型催事が対策を行った上で再開されつつあることなどを慎重に検討し、3月7日のサンクリ2021Springを開催することにしました。
直前まで参加を躊躇われているサークルさんもいらっしゃると思い、なるべく状況を見られるよう、申込〆切から開催まで3週間という強行日程を組みました。参加サークル数で見ると、通常開催の数分の1の規模。ボランティア組織を中心に、最低限の常勤スタッフで運営しているサンクリであっても、収支の観点では厳しいですが、なんとか開催を継続する方法を模索しています。
今回、プチオンリーが4つ開催されます。企画して下さったみなさまに、改めて御礼を申し上げます。ウィズコロナの時代に、自分でオンリーイベントをするハードルは、数段引き上がりました。会場を押さえてから、オンリーイベントを企画・募集しているイベンターさんですら、かなり苦しい中でやっておられると推察します。こういう時代だからこそサンクリのような開催実績あるイベントが、オンリーイベントのプラットフォームになれればと思います。当日の盛り上がりを、様々な面で応援させていただきます。
アフターコロナの時代に、同人誌即売会という文化は、元のモメンタムを取り戻すことができるのでしょうか。ウィズコロナの時代にぼくたちは「家にいながらにして同人作品を楽しむ」ことに慣れ、「離れた仲間とコミュニケーションする」手段も洗練されてきました。競争戦略論の言葉を借りれば「代替品の脅威」です。
同人誌というものの始まりは、習作やパロディといった、商業誌に載らない作品の受け皿でした。これからは、クラウドや電子書籍といった「グローバルプレイヤーのデジタルプラットフォーム」の検閲的なルールに適合しない、「アングラ」表現の受け皿になっていくのかもしれません。覚悟を持って、あらゆる表現を受け入れ、表現の自由を守ることに尽力してきた、同人誌即売会だからできることなのかもしれません。
歴史の教科書を紐解くまでもなく、あらゆる文化には隆盛と衰退があり、歴史書の1ページ、博物館の1展示物になってしまう時が来るのでしょう。とはいっても、一人ひとりが表現するという営みが潰えることはありませんし、それを受け入れていくための基盤として進化が求められている、そういう明るい解釈をしていきたいと思っています。それでは、当日にお会いしましょう。
クリエイション事務局一同