開催のごあいさつ
(SC2021Summer)

 初夏の薫りと共に、イベントに吹く風向きが、少しずつ変わってきたように感じます。何も分からなかった時代の徹底的な自粛から、リスクをコントロールした再開へと、オリパラという政治的な要素も含みつつですが、状況は前に進んでいます。
GWに1万人規模の大規模なフェス等も開催され、当初はマスコミもセンセーショナルに、批判的に報じたものの、参加者の理解・協力もあってクラスターは発生しなかったなど、メディア・エンターテイメントにかかわる人達が、少しずつリスクを取りながら、少しずつリアルが取り戻されています。ワクチン接種率の増加と共に、たぶんそれは加速化していくのでしょう。結局、活動を止めたままでは、みんなが経済的にも、精神的にも生きていけない。そんなことを共通認識にする1年間であったような気がしています。

 それでも、出張はテレビ会議に置き換わるだろうし、Uber Eatsでごはんは頼むだろうし、キャッシュレス決済を急に止めたりはしないでしょう。そういう意味で、ぼくたちはちょっとだけ便利になった、元の世界に還るのかもしれません。
 でも、コロナ禍で解散してしまったバンドの曲はもう生で聴けないし、閉店してしまったお店の味を味わうことはできない。そういう意味で、元の世界が再構築された、別の世界線にいるような、そんな気もします。
 そんな不思議な感覚の中でも、想いを持った個人やグループによる”同人”表現というものは、変わらずにそこにあり続けています。それはコロナ禍においても、表現しつづけること、それを求めつづけることを諦めなかった参加者のみなさん、ガイドラインを作ったり、開催を続けたりした、関係者のみなさんの尽力なのだと思います。
 現在発出されている緊急事態宣言、最終日の開催となります。宣言下でも安心安全にオリパラを開催しそうな情勢ですので、我々もこれまでに各即売会が積み上げてきた対策を踏まえて、可能な限りの対応で開催に臨みたいと思います。いろいろな立場や想いはあると想いますが、お待ちしています。そう、選挙にはいきましょう。

少しずつ、日常に、リアルに還ろう――今回はそんなテーマです。それでは。

クリエイション事務局一同