開催のごあいさつ
(SC2021Winter)

 2021年最初のクリエイションとなる、サンシャインクリエイション2021 Winterにご参加いただき、ありがとうございます。COVID-19の”第3波”が拡大しつつあるタイミングにもかかわらず、約300サークルのお申し込みをいただいたことに、改めて御礼を申し上げます。
COVID-19については、ワクチン開発等の明るい材料もある一方で、変異種の発生などの暗いニュースも飛び込んできました。おそらく2021年の1年間も、リアルイベントはかなりの制約の下で開催せざるをえないでしょう。変化が大きく、当日までにどのような状況になっているのか、現段階では完全に見通すことはできません。公式Twitterなどで情報をアップデートしていきますので、ご確認をお願いします。

 2020年という1年を経て、同人文化を支えるインフラ――年月をかけて技術を培ってきた印刷会社、流通の幅を大きく広げる同人書店、机や椅子といった即売会ならではの資材を保管するレンタル会社などのみなさんが、かなり苦しい状況に追い込まれています。
 2020年には繰り返し「リアルの価値」ということを訴え、同人誌即売会を開催してきましたが、時代の変化によって必要とされなくなってしまう、他の手段によって代替されてしまうという悲観的シナリオも、考えていないわけではありません。電子書籍はスマートフォンやタブレットの普及をトリガーに爆発的に広がっていきました。対面で「空気を読む」ことが重視されがちな日本の企業ですら、COVID-19の影響によって、リモートワークが標準的なワークスタイルになりつつあります。
 多くの同人誌即売会は、その場を続けていくことに価値があると思う有志のスタッフが集まって、運営されています。前述の通り「リアルの価値」は前提となる信念ではありますが、同じ志を持つムーブメントと出会い、デジタルとの融合をより深めていかない限り、未来にこの文化を続けていくことは難しいという危機感を持っています。
 ネットフリックスはもともと、オンラインでDVDをレンタルする会社でした。それが、ストリーミング配信の会社となり、いまやハリウッドを動かして自社でコンテンツを制作する会社になりました。たぶん、そのくらいの変化が求められているような気がします。

 さて、2020年12月10日にDOUJIN JAPAN 2020が「新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 流行下における同人誌即売会の開催ガイドライン」という文書を発表しました。これは、東京ビッグサイトなどでの大規模即売会が念頭に置かれたガイドラインであるため、必ずしもサンシャインでの開催に即さない部分もありますが、サンクリもこれに準ずる形での開催に向けて、準備を進めています。
 もちろん、会場外での感染可能性という不確定要素もあるため、リスクをゼロにすることはできません。そうした中で、ガイドラインの存在意義は、万一のことがあった際にも「専門家が監修したガイドラインに準じて開催した」という説明責任を果たせることにあります。これが、同人誌即売会の開催にとっては大きな一歩であると信じます。

 過去には雪かきの思い出もある1月の開催……当日が晴天に恵まれることを祈りつつ、ごあいさつとさせていただきます。今回もよろしくお願いします!

クリエイション事務局一同