開催のごあいさつ
サンシャインクリエイション2024Springにご参加いただき、ありがとうございます。昨年よりも多くのお申し込みをいただき、少しずつですが同人誌即売会という自由な表現の場に力が戻ってきているのを感じています。色とりどりの新しい表現に出会えることを、楽しみにしています。
今回から事務効率化の観点で、オンライン申し込みされたサークルさんへのサークル通行証配布方法が、LivePocketを利用した引き換え方式となりました。このあいさつが載る当日参加案内も電子配布となりますので、ついに郵便物のやり取りなしで当日を迎えられることになりました。むかしはよく、公民館などの会場を借りて発送作業の集会などをやっていたので、隔世の感です。
昨年冬のコミックマーケットで、海外からの参加者が大幅に増えたというニュースがありましたが、主要都市・観光地では外国人観光客の方が増えています。同時に宿泊費も高騰しており、遠距離でのイベントに参加することが、少し大変になってきています。
そして、止まらない物価高。コンビニでサラダを買うと、ふとその高さに驚きます。政府は税制改革等を通じて賃金引き上げを奨励していますが、それでもなお物価上昇に追いつくことは難しく、余暇に使えるお金がそもそも減っているという側面もあります。
こうした状況にもかかわらず、さまざまな同人誌即売会が賑わいを取り戻しつつある状況を見ると、表現は余暇というよりは日常生活の一部であるのかもしれません。表現を創り出すことで、そしてそれに触れることでエネルギーを得るもしくは相互に与え合う--同人誌即売会という場の熱力学なのかもしれません。
世界はモノの所有にこだわらないシェアエコノミー、そして継続的な定額課金を特徴とするサブスク化の方向に進んでいます。みなさんの中にも、月額制のファンサイトを通じて表現を発信している人や、ファンとして課金している人も多数いらっしゃると思います。同人誌の一つの起源は会費制のファンサークルですから(コミケットのジャンルコードのFC◯◯、というのはそういう意味です)、テクノロジーの力でより便利になって戻って来るというのは、面白い話です。
そうなると、同人誌即売会というものの意味は何か、ということになります。作家とファンでコミュニケーションが取れる、人が集まることにより熱気を感じる、偶然の出会いや発見を楽しむ、過酷な環境を楽しむ、打ち上げでおいしいビールを飲む……何が好きでここに集まるかは、人それぞれです。あらゆる表現が集う場だからこそ、その意味を一つに絞る必要もない気がします。答えが出てしまったらつまらない、そんなものなのかもしれません。
今年は例年より暖かい春を迎えられそうです。花粉症の方にはつらい季節になってきましたが、当日が穏やかなことを祈りつつ、ご挨拶とさせていただきます。今回もよろしくお願いします。
クリエイション事務局一同